その12 カレン・ブリクセンとアイザック・ディネーセン
アイザック・ディネーセンは正確にはイサク・ディーネセンと発音するらしいのですが、日本では間違ったアイザック・ディネーセンが定着してしまっておりますので、間違った方の表記とさせて頂きます。

前回の「アフリカの絵本」の中でも、カレン・ブリクセンとアイザック・ディネーセンの二人が登場します。女性名(カレン)と男性名(アイザック)なので、まったくの別人の印象を受けますが、実は二人は同一人物なのです。カレン・ブリクセンが本名で、アイザック・ディネーセンがペンネームです。ちなみにカレンの旧姓のディネーセン家はデンマークの裕福な貴族で、結婚前の名前はカレン・ディネーセンとなる訳です。
アイザック・ディネーセンの小説「アウト・オブ・アフリカ」がシドニー・ポラック監督により映画化され、その映画の邦題が「愛と哀しみの果て」という、どこかで聞いた様な題に変えられたため、メロドラマ化してしまったとか、あんなきれいな風景はアフリカには存在しないとか、いろいろ揶揄されましたが、個人的にはやはりアカデミー賞ものの優れた映画だと思います。

映画の中のあのきれいなサバンナの景色も、マサイマラに行けば同じ様な光景かそれ以上のものを充分堪能することが出来ますが、小生が一番気に入ったシーンは、映画の最後にナイロビの男性専用クラブ・ムサイガでカレン(メリル・ストリープ)がウィスキーのストレートアップをショットグラスで一気に飲み干すところです。クラブに居合わせてカレンに乾杯した大勢の英国紳士が茫然と立ちつくす中、カレンは飲み干したショットグラスをカウンターに置き、そのままチェイサーも口にせずにクラブを立ち去ります。・・・
この瞬間のバロネス・ブリクセンの気高さと美しさをメリル・ストリープが実にうまく演じており、ごくっと唾を飲み込んだあとタメ息が出てしまいましたが、実は小生もストレートアップが大好物です。
今回はカレン・ブリクセン邸を訪問することが出来ませんでしたので、次回ケニアを訪れる際には最優先で訪れたいと思います。バロン&バロネス・ブリクセンの住居が保存されているだけでなく、カレンがケニアを離れる際に手放してしまったロイヤルコペンハーゲンの器や家具類も、可能な限り買い戻されてセッティングされているとのことなので興味が尽きません。